「この世界は生きづらい、だから変えよう。」 そう信じる8人の男女が、宿屋に集まった。 それぞれが国や体制、運命に傷を負いながら、 一つの“革命”という希望にすがっていた。 しかし、その翌朝、死体が見つかる。 閉ざされた宿屋、出入りできるのは彼らだけ。 仲間になるはずだった者たちの間に、 疑惑と裏切りの影が忍び寄る。 革命は始まるのか。 それとも終わるのか。

広大な砂漠には、ひとりの男がいた。 果てなき砂を越え、困窮する者を救い続ける放浪の旅人。 彼の名を知らぬ者は、もはやこの地にはいない。 人々は彼を「砂漠の英雄」と呼び、彼の行いを綴った英雄譚の書までもが作られた。 その名は――ラーサ。 かつて彼が救った砂漠の国、ジーゴード王国。 久方ぶりにその地を訪れたラーサを、民は歓声と祝福で迎えた。 だが、その歓喜の影で――静かに、ひとつの事件が幕を開ける。