薄暗い倉庫で、あなたは目を覚ます。 声を出そうとしても、そこに口はない。硬い金属の感触―― 自分は「お嬢様のお世話をするためのロボット」だと情報が更新される。 やがて、倉庫の隅で泣きじゃくる小さな人影を見つける。お嬢様だ。 だが、その瞬間、視界に赤い警告が走る。 【充電残量　10％】 残されたわずかな時間で、あなたは何を選ぶのか……。

目が覚めると、あなたは真っ白な部屋に座っていた。 壁も床も天井も、塗りつぶしたように白い。無機質。無感情。 時計もなければ、窓もない。 あるのは鉄でできた重い扉。冷たく、閉ざされた出口。 その扉の向こうから、声がした。 「やっと目を覚ましたね、殺人犯」 言葉は静かだが、どこか嘲笑っているようにも聞こえる。 ”殺人犯” 自分が呼ばれた言葉に、あなたは……。 ……思い出せない。 名前も。顔も。なぜここにいるのかも。 何か、とても大切なものを忘れている気がする。 胸の奥がざわつく。 まるで、心臓が“それ”を思い出すのを拒んでいるように。