
時計塔の真実
おみそ
高校時代からの友人5人。
卒業後はそれぞれ別の道を歩み、会うことも少なくなっていた。
そんな中、旧家の令嬢である榊原 美鈴(さかきばら みすず)が久々の再会を提案する。
美鈴は代々続く屋敷と、その敷地内にある古びた洋風の時計塔を所有していた。
両親を事故で亡くして以来、彼女は唯一の家族同然であるメイド・桐谷 澄江(きりたに すみえ)と二人暮らしをしていた。
再会の夜、屋敷は懐かしい会話と笑い声に包まれる。
しかし深夜、時計塔が「ありえない時刻」に鐘を鳴らす。
翌朝、美鈴の姿が見えないことに気づいた友人たちは敷地を探す。
やがて、時計塔の真下で彼女の遺体が発見される。
死因は高所からの落下。
時計塔へ登るには特殊な鍵が必要で、その鍵は美鈴が肌身離さず持っていたはずだった。
なぜ美鈴は夜中に時計塔へ向かったのか。
そしてその鍵は、誰が、どうやって手に入れたのか。
警察が到着するまでの間、残された4人の友人は互いを疑い、
それぞれが抱える秘密が少しずつ暴かれていく――。